GLAYのアルバムを聴いた

2013年01月24日 00:00
思い付く限りの恐怖のイメージを並べてみろ
オマエの本当の敵はそれ以外だ、それが判るか?
(『華よ嵐よ』GLAY)
 
GLAYの2枚同時発売アルバム『GUILTY』と『JUSTICE』を聴いた。
『GUILTY』は、従来通り、佐久間正英さんプロデュース。
『JUSTICE』は、GLAYがセルフプロデュースに挑戦したものである。
最近は、TAKURO曲ばかりでなく、他のメンバーの曲が入るようになったのが嬉しい限りだ。
JIROさんはそろそろ自分で歌詞書こうね。
 
『FACTORY』の歌詞は聴いていてつらい。『蟹工船』を髣髴とさせる。
そして、自分のこれまでの人生とも重なる。
本当は夢があるのに、それを投げ出してでも働かなければならない。
雇用している人たちは、そんな事情など知らず、身体が壊れるまで働かせる。
GLAYは基本的に「新思潮派」だけど、「プロレタリア文学」っぽい一面もある。
労働者としての立場に立った曲も多い。
HISASHI曲は聴いていて楽しい。他の三人と作る曲とか、外見に大きな違いがあるからか。
変な説教臭さとか、政治や社会を歌った曲が少なくて、歌詞よりも曲重視。
バラードも殆どなくて、どちらかと言えば、打ち込みが多い。
だから、泣けるとか、共感するとは無縁。
本当に王道、悪く言えば、これまでの曲と変わり映えない。
特に『初恋を唄え』は、これまでの路線そのまま。こういう卒業ソング、過去に多い。
そうは言えども、『JUSTICE』に比べたら、『GUILTY』の方が聴きやすかった。
これまでの曲に聴きなれているからかな。
 
『JUSTICE』は意外さがよかった。
2曲目は、歌詞や曲調から、一見JIROさんが関わった曲のように思えるけど、
実際はTAKUROさんが作詞・作曲だし、3曲目は3曲目っぽくない。
ちょっとドロドロしているから、これまでだったら6曲目か7曲目(中盤)に持ってくるはず。
10曲目に「沈黙の友はあの尖閣諸島の向こう」という歌詞があるが、
これ絶対色んなところからクレームが来るだろうな。
そんなことも全部ひっくるめて、「オリコンチャートに左右されない、やりたい音楽」なのだと思った。
ただ、これからがGLAYの暴れどころだと思った。
全員が40代になって、セルフプロデュースを始めて、ヴィジュアル系全盛期の
『HOWEVER』や『Winter,again』の頃とはまた違った印象を付けようとしているのではないだろうか。
あの頃は、売れ線重視、ミリオンが取れて何ぼだったけど、今はそうではない。
もう名前が売れて、独立して、やりたいことが出来るようになった。
逆にそれの方がいいのではないかと思った。
ミスチルやB'zみたいに、売れ線にしがみついて、今でもトップの座にのさばっているよりも、
昔ほど売れなくていい、過去のアーティストと思われてもいい、それでも自分たちの作りたい曲、
やりたい曲をやっている、個人的にはそれの方が、よっぽど好感が持てる。
(ミスチルやB'zは自分たちのやりたい曲≦売れ線のように思える)
アムロさんみたく、一時は衰えても、また復活できればいい。まだ望める。
 
でも、今度こそはどちらかが一位とって欲しい!
ご本人様たちは気にしていなくても、ここのところ三位以下ばかりで、
ちょっと寂しいので。